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すると彼はまた目を開いて、
ああ、もう!
と舌打ちし、こちらを睨むように見た。
「お前が訳分かんねぇよ!
遊びたいだけの女かと思って抱いたら初めてだったり。
それを笠に着せて恩着せがましく馴れ馴れしくして来るかと思えばアッという間にいなくなった上に、ホテル代まで置いていきやがって!
それにあの、ありがとうございましたってメモはなんだよ!
その後は、会社に来ても俺の方を見もしない!
楽しそうに、他の男と親しくする!
お前、俺のことがずっと好きで、一度だけでも抱かれたいと思うくらい好きだったんだろ?
でも、全然そんな感じがしねぇんだよ!」
今まで余程、色んな疑問を溜め込んできたのだろう。
彼は鬱屈されたすべてを吐き出すようにそう声を上げた。
そんな心の叫びのような言葉に、
ご、ごもっとも、
とバツの悪さから、目をそらした。
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