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「……で、でも、それだけで付き合おうと?」
やはり解せなく小首を傾げると、
「仕方ないだろ、色々考えすぎて……好きに、なったんだから」
面白くなさそうにそう漏らした彼に、言葉が詰まった。
「でも、お前のことがよく分からねぇ。
ここでハッキリさせようぜ、俺のことが好きだっていうのは本当か?」
そう言ってグニッと片手で頬を挟んできた彼に、これ以上、嘘はつけないとプルプルと首を振った。
「じゃあ、なんだよ、どうしてだよ?」
「に、24歳処女で、いい加減に捨てたくて、永井さんなら後腐れなく綺麗にもらってくれそうだと思ったんですよ!」
そう声を上げると彼は一瞬動きを止めて、そっと頬から手を離した。
「じゃあなんだ?
俺は身体だけだったってことだ?」
そう言って自嘲気味な笑みを浮かべた彼に、言葉が詰まった。
「ったくこれだから女は……」
そう言って背を向けた彼に、
気が付くと、
「ちょっと待ちなさいよ!」
と声を上げていた。
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