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驚き、言葉も出ない私に、
「いいよ、お前が望むなら、言ってやるよ」
と舌打ちして、こちらを見据えた。
何を言うのか見当もつかず呆然としていると、彼は私の手を引き寄せて、覗き込むように見た。
「……俺と、付き合ってください」
すぐ目の前にあるのは、息を呑むほど、イイ男の顔。
今までこの人に抱かれようとも心を開かないように、ずっと蓋をして来た。
でも、蓋なんて無理だったんだ。
初めて抱かれたあと、愛のない行為をしたことが本当は苦しくて悲しかった。
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