第3話 永井祥の困惑

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「ワンカップ飲んでるんだ?」 そう尋ねると、彼女は真っ赤な顔フラフラと立ち上がり、 「あ、うん、日本酒に弱くて。 い、今、日本酒の匂い消す為に歯を磨くから」 と洗面所に向かおうと歩き出した。 なんだ、酒の力を借りようとしてただけか。 あの時のビールの一気飲みもそういうことか。 アルコールの力を借りて普段言えないことを口にしたり、行動に移したりするわけだ。 カワイイところもある。 クスッと笑って手を掴み、 「別にいいよ、日本酒の匂いがしても」 ま、日本酒は嫌いじゃないしな。 そう言って、キスを落とした。
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