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そうして二人で店を出て歩いた。
すぐ近くにホテル街があるのは分かっていたが、
『ずっと好きで一晩だけでいいから共にしたい』と打ち明けてきた真面目な女をホテルに連れ込むのは、流石に酷かもしれない。
この女はしつこくなさそうだし、一晩くらい自宅に連れ込んでやってもいい。
そう思い、待機場に停車していたタクシーに乗り込み、住所を告げると、
「その住所、どこですか?」
と勢いよく身を乗り出した。
その勢いに驚き、なんだ?と思いつつ、
「俺の家だけど」
と答えると、彼女は仰天したように目を見開いた。
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