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「どうして?」
何もかもが解せずにそう尋ねると、彼女は弱ったように目を泳がせつつ、
「な、永井さんの部屋なんかに行ったら、私……逆に切ないです」
と切なげに顔を背けた。
えっ?
その言葉に少し鼓動が強くなった。
この女は、そんなに俺のことが好きだったのか?
ずっと前から好きだったってことか?
こいつが俺に気があるなんて今まで全然、気が付かなかった。
社内で明らかに俺に気があり色目を使ってくる女は数人いたが、こいつはその部類の女ではないと思っていた。
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