第3話 永井祥の困惑

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「どうして?」 何もかもが解せずにそう尋ねると、彼女は弱ったように目を泳がせつつ、 「な、永井さんの部屋なんかに行ったら、私……逆に切ないです」 と切なげに顔を背けた。 えっ? その言葉に少し鼓動が強くなった。 この女は、そんなに俺のことが好きだったのか? ずっと前から好きだったってことか? こいつが俺に気があるなんて今まで全然、気が付かなかった。 社内で明らかに俺に気があり色目を使ってくる女は数人いたが、こいつはその部類の女ではないと思っていた。
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