第3話 永井祥の困惑

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すると先程、切なく呟いていた彼女は突然、明らかに浮かれたように、弾んだ足取りを見せていた。 その姿に、また仰天した。 まるでテーマパークに来た子供のようにウキウキとした様子を見せていた。 なんだ? なんなんだ? さっき、あんなに苦しそうに呟きながら何を急に浮かれてる? 下品に輝くネオンを見て、 「まるでラスベガスみたい」 うっとりと呟いた彼女に、絶句した。 この下品なネオン街がラスベガスだと? 「明らかに言いすぎだろ?」 と呆れて言うと、彼女は恥ずかしげに笑った。 無邪気な笑顔。 その姿を見て初めて、カワイイ、と思った。
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