第4話 葛藤。
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それでも脳裏を過ぎるのは、痛みに必死で耐える、彼女の表情。 終わったことを告げると、涙目で嬉しそうに頷いた顔。 白い肌、太股の内側に滴った、ほんの少しの赤い血。 『ありがとうございました』 というメモ。 キッチリと残されたホテル代の半額。 思い返すつもりはなくても、グルグルと回想された。 そして彼女が残していった金は、どうしても受け取りたくないと茶封筒に入れた。
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