第4話 葛藤。

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何もかもが奥手の彼女が初めて恋をした相手に『処女』であることが原因でフラれた。 大きなショックを受けて、しばらく引き摺った傷。 それが癒えてきた頃、 また恋をしたい、と彼女は思った。 その時に新しい恋を始めるには、自分の処女が足枷だとそう判断した。 そこで社内で遊んでいる俺を選んだ。 自分が前に進む為に、起こした行動。 すべてのピースが揃い一枚の絵になったように、 彼女の背景を理解した。 「ばっかじゃねーの、その男は遊びだったから、お前の告白が重かったんだよ!」 馬鹿な女。 そんな男を好きになってるなよ。 「そんなの……そんなの、分からないじゃない!」 目に涙を浮かべながら、そう声を上げる彼女。 「分かるよ。 お前を好きなった今、お前が俺しか知らないのは嬉しいと思ってたから」 そうだ。 俺は嬉しく思ってたんだ。 結局、俺のことを好きでもなんでもなかったことに、こんな女なんてと思う。 けど……。 拳を握り締め、彼女を見た。
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