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何もかもが奥手の彼女が初めて恋をした相手に『処女』であることが原因でフラれた。
大きなショックを受けて、しばらく引き摺った傷。
それが癒えてきた頃、
また恋をしたい、と彼女は思った。
その時に新しい恋を始めるには、自分の処女が足枷だとそう判断した。
そこで社内で遊んでいる俺を選んだ。
自分が前に進む為に、起こした行動。
すべてのピースが揃い一枚の絵になったように、
彼女の背景を理解した。
「ばっかじゃねーの、その男は遊びだったから、お前の告白が重かったんだよ!」
馬鹿な女。
そんな男を好きになってるなよ。
「そんなの……そんなの、分からないじゃない!」
目に涙を浮かべながら、そう声を上げる彼女。
「分かるよ。
お前を好きなった今、お前が俺しか知らないのは嬉しいと思ってたから」
そうだ。
俺は嬉しく思ってたんだ。
結局、俺のことを好きでもなんでもなかったことに、こんな女なんてと思う。
けど……。
拳を握り締め、彼女を見た。
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