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そんなことを思っていると、
「ねぇ、サクラ、実はずっとなんとなく思ったんだけど、もしかしてあんたと永井祥って付き合ってる?」
と突然、耳元でそう尋ねて来た友人の栄子に、ギョッとして目を開いた。
「ど、どうして?」
「だって永井祥があんたを非常階段に連れ去ったあの時、間近で彼の顔見てたしね。
その後、なんとなく二人の様子が前と違ってるし。
それに、あんたが永井祥を見てはニヤニヤしてたりしたから、もしかして付き合ってるのかなと思って」
その言葉に動揺を隠せずにアタフタすると、栄子はプッと笑った。
「サクラ、分かりやすい。本当に付き合ってるんだ」
頬が熱くなり、赤面していることが分かった。
「信じられないよね?私が彼となんて……」
小声でそう漏らすと、栄子は「うーん?」と小首を傾げた。
「意外といえば意外だけど……反面なんとなく納得だけど?」
そう言った栄子に「へっ?」と顔を上げた。
「どうして?」
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