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そうだ、
だからあいつが俺をただの『処女捨て相手』だと近付いて来たことが分かっても、死ぬ程ムカつきながらも、手放せなかったんだ。
何よりも、あいつを手放して他の男に盗られることの方が我慢ならなかったからだ。
……参ったな。
あの変な女に、俺はとことん惚れてるわけだ。
どこがいいのか、さっぱり分かんねぇのに。
初めて自分の気持ちにとことん気付いて、クックと笑いが込み上がる。
そんな俺の姿に、彼女は解せなさそうに眉をひそめた。
『いや、悪い。
もう、お前と関わる気はないから』
そう言って、彼女を置いて颯爽と店を出た。
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