第3章の続き

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 「卸し先がどこの組かにもよるが、10キロ以上のシャブを一つの組でまとめて仕入れるなら、かなりの大手だろう。  いや、卸し先が複数の場合も考えられる。  どちらにしても中国マフィアから追われ、ヤクザの怒りも買うことになる。悪いことは言わねえ。考えなおせ、蓮」  「忠告は有り難いけどな。引くに引けない事情があるんだ」  俺は、新聞屋の店長を大怪我させ慰謝料として金が必要なこと、シャブを奪う相手は千里の身内で、千里がその身内から犯された仇討ちでもあることを簡潔にまとめ哲也に説明した。  零という男の存在を排除しないことには、また同じ過ちを犯すかも知れないのだとは言わなかった。  「なるほどな。1000万か。俺個人が何とかしてやれる金額じゃねぇな」
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