番外編 二人のクリスマス

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「俺だったから良かったものの、宅配業者だったら玄関で押し倒されるぜ?」 「ま、まさかそんな。 それに宅配の人が来るなら、すぐに着替えます」 「そうだな、そんな格好を他のヤツに見せたら、お仕置きだ」 そう言ってベッドに身体を押し付けられた。 「な、永井さん。 あ、あの、大荷物でしたけど、色々買って来てくれたんですか?」 彼を見上げながら慌ててそう尋ねると、 「ああ、ホテルにオードブルとケーキの注文してたんだ」 「そ、そうだったんですね。 そんなわざわざホテルに頼まなくても、作ったのに」 「いいよ、お前は毎日美味いメシ作ってくれてるんだから、クリスマスくらい楽をしろ」 素っ気無くそう言った彼の言葉に、キュンと胸が詰まる。
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