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嶋田の後ろから、同じように話を聞いていた越川さんが、大きくため息をついた。
『ヒドイ!!そりゃあ、学校にも来なくなるし、死にたくもなるわ。いじめても動じないから、攻撃しても大丈夫?元に戻ってほしくて嫌がらせ?交換条件がウザイから見て見ぬ振り?フザケンナ。』
3人は黙った。俺の言いたかったことを代弁してもらえてスッとした。
越川さんの手が嶋田の頭を軽く撫でる。
『ほら、あなたも言うことあってわざわざ出てきたんでしょ?みんなに言いたいこと言いな。大丈夫、誰もあなたを否定しない。みんなあなたの話を受け入れる。安心して。』
嶋田の肩が小刻みに上下に揺れ始めた。
泣いているのか。
否、
笑っていた。
嶋田は体をのけぞるよう反らして、大声で笑った。
『バーカ。揃いも揃ってほんと、どうしようもない。』
その口調はルナに戻っていた。
『だけど、嫌いじゃなかった。朱璃は…みんなが大好きだった。』
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