20章:愛するもの

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 泉の主の声で、レオンはやっと止まっていた意識が動き出す。 「目覚めておりません!!」  レオンはエミリアを震える手で離した。 「なぜ? レオン様、私は目覚めましたわ」  レオンはエミリアに瞳を合わせず、泉に向かって再度発する。 「アイラを目覚めさせてくれ!!」  と。 『愛するものは、  エミリアか?  アイラか?』  主の問いにレオンは打ちのめされる。  ガツンと頭を撲られたような感覚。レオンは崩れた。 『目覚めるのはどちらがいいのだ?』  さらにレオンに問いを投げる主。 「レ、オン様。……愛するものは、私ではないの? もう愛していないの?」  エミリアの声がレオンをさらに惑わせた。  レオンの心のうねりがさらに加速する。 「お、れ……は……」 .
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