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その加速がレオンを息苦しくさせた。
レオンの両膝は地面につく。両手は固く握られ、その地面を強く押していた。瞳には何もいれまいと、視線は地面に固定される。
自身の荒い息づかいが、心と同調した。否、心が息づかいに現れたのだ。
「っ……」
レオンは声を失う。出せる答えが見つからない。
『何を願う?』
主の声がまた落とされる。
『どちらの目覚めを願う?』
ーーサラサラーー
風の囁きのみ。
留まる者の時は、時とは言わない。長く、短く、過ぎていく。
そして、
無情にも主の声はレオンに降りかかる。
『……アイラは我が引き取ろう。この森で、目覚め平穏に暮らすことを約束しようではないか。三宝を持つアイラは我が娘であるからの。
おぬしは、エミリアを連れて帰れば良い。それで皆が幸せになる。エミリアもエミリアの父も、失ったものが戻ったおぬしも。親友が戻ったシェリーも。三宝のことでもう悩むことがなくなる涼の国も。
三年前に戻るだけである。止まっていたおぬしらの時がこれで動くのじゃ』
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