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「レオン様、主様の言う通りです。これで、私達は幸せに暮らせますね。そのヒトは主様が幸せにしてくれますもの。心置きなく出立いたしましょ」
エミリアが再度レオンに体を寄せる。
レオンの思考は真っ暗な闇に落とされた。
なぜ?
わからない。
苦しい。
俺は……
頭が混乱する。
俺は……
『苦しまずとも良い。我の言葉を受け入れよ』
締め付けられているレオンの心に、主の言葉がストンと落ち、
『おぬしが決めたことでない。我が決めたことだ。おぬしが苦しむことはこれでないのだ』
広がっていく。
主の言葉がレオンを支配していく。
「俺は……エミ、リ、アと……」
レオンの声が紡がれる。
「……一緒に、かえ……」
……
……
止まる。言葉は寸でで止まる。
『レオン様、惑わされないでください』
レオンの心に語りかけるその声は、
薔薇の声
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