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ゆっくり瞳を開くレオン。
レオンの腕にすがり叫んでいるエミリアに目もくれず、アイラの元に歩く。
「レオン様!!」
エミリアはレオンの腕を掴んで放さない。
それでもなおレオンはアイラの元へ。
「どうして? どうしてなの、レオン様」
エミリアがレオンに訴える。
そこでやっとレオンはエミリアを目視し、言った。
「君は誰?」
と。
「え? エミリアよ」
エミリアは困惑の表情でレオンを見る。
「違う。君はエミリアではない」
レオンの鋭い視線にエミリアは怯む。
「俺の愛するエミリアは、俺を想い、涼の国を想い、海に身を投げた。君は誰?」
「私はエミリアよ。あなたを想い、涼の国を想うエミリアよ。あなたが愛するものエミリアよ」
レオンはフッと笑った。
その表情にエミリアは笑みを返す。が、レオンの口から出た言葉にエミリアは……
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