20章:愛するもの

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 ゆっくり瞳を開くレオン。  レオンの腕にすがり叫んでいるエミリアに目もくれず、アイラの元に歩く。 「レオン様!!」  エミリアはレオンの腕を掴んで放さない。  それでもなおレオンはアイラの元へ。 「どうして? どうしてなの、レオン様」  エミリアがレオンに訴える。  そこでやっとレオンはエミリアを目視し、言った。 「君は誰?」  と。 「え? エミリアよ」  エミリアは困惑の表情でレオンを見る。 「違う。君はエミリアではない」  レオンの鋭い視線にエミリアは怯む。 「俺の愛するエミリアは、俺を想い、涼の国を想い、海に身を投げた。君は誰?」 「私はエミリアよ。あなたを想い、涼の国を想うエミリアよ。あなたが愛するものエミリアよ」  レオンはフッと笑った。  その表情にエミリアは笑みを返す。が、レオンの口から出た言葉にエミリアは…… .
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