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「へぇ~、どうやって知り合ったの?
同僚の紹介とか?」
嘘は吐きたくないけど、彼女に本当の事を話す勇気はなかった。
「うん・・・。
まぁ、そんな感じかな?」
夏香の問いに肯定し、どうにかその場を乗り切る。
彼女は納得して頷き、パフェを食べる手を止めこうぼやいた。
「そういう同僚がいていいなぁ。
うちの幼稚園は先輩たちも同期も男っ気なくてさ。
紹介する相手もいないって、いつも苦笑されるもの。」
本当は私だって頼める訳がない。
同じ職場の先輩たちとのプライベートな繋がりは皆無に等しいもの。
激務だった前年度。
家と職場を往復するのがやっとな程時間のなかった私には、プライベートを充実させる余裕なんてなかった。
それに、女性の多い“幼稚園”という職場。
ただでさえ出会いのない職場なのに、忙しさ故、更に出会いのチャンスを無駄にしていたような気がする・・・。
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