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二年になり、クラスが成績別となってから、元凶であり盾でもあったユーリアと離れ離れになり、俺はイジメを一身に受けることとなった。
俺はなるべくユーリアに悟られる事のないように、我慢をしてきたが奴らのイジメはエスカレートして行く。
「貴方がユーリアお姉様をダメにしますわ」
学年第2位の一年の貴族の後輩が上級魔法で俺を縛り付ける。
小学の時点で魔法の練習をする英才教育を受けてたコイツも天才クラスの人物だ。
「同感だね。君がいると彼女はダメになる」
三年の生徒会長が俺の肩に剣を突き立てる。
やれやれ、後輩に負けて悔しくないのかい?
「お前は光に群がる蛾、目障りだ」
建前を言わないところには好感が持てるが、風紀委員長のアナタが率先してこんな事をやるから、校内の風紀が乱れてるんだよ。
俺だから何をしても許される。
アナタがそんな感情論に飲まれてどうする?
その後、二時間に渡る暴行の末に俺は瀕死の重傷を負ったまま放置された。
放置された理由は簡単。
誰もトドメを刺す勇気が無かったからだ。
だから誰の攻撃が致命傷になったか分からない状態にした。
罪のない人間を殺す罪悪感を感じない為に……
でも、このまま死ねるならそれで……
「……生きてた!良かったぁ!」
次に目が覚めたら俺は傷一つない状態でユーリアに抱き締められていた。
その日を境にユーリアは俺をイジメから守る為に必要以上に束縛するようになってきた。
「今日は何の用事もなかったよね?」
「……」
彼女の行動により、学校でのイジメはなくなりはしたが、所詮ユーリアは子供。
ユーリアの目の届く範囲なんて限られていた。
母親が通り魔に殺された。
父親が有りもしない罪で死刑にされた。
貴族平民関係無く子供を通して親の怒りを買っていたなんて誰が想像しただろうか?
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