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輝く舞台上では騎士がお姫様にするみたいに、ひざまづいたアキラさんが、カンナさんに何かを捧げていた。
「待たせてごめんな。カンナ、俺の嫁さんになってくれ」
突然のプロポーズに、すでに泣き出してしまっていたカンナさんは何度も頷きながら、それを受け取る。
蓋を開かれた状態のボックスには指輪。再び立ち上がったアキラさんは、カンナさんの左手を取ると薬指にはめる。
会場の熱気は一気に加速し、キスコールが飛び交う。恥ずかしがるカンナさんの頬に、アキラさんが口づけた。
「アキラさん……カッコイイっす……」
新妻の肩を抱き寄せ、アキラさんは観客達に頭を下げる。
嵐のような拍手の中、カンナさんは本当に幸せそうだった。
舞台裏から、楽屋から、ロビーから、この場にいる全ての者が二人を祝福していた。
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