Smile

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 興奮冷めやらぬ中、アキラさんは右手を前に突き出した。指は三本立てられている。  一つ目はラッキースターについて。二つ目はカンナさんへのプロポーズ。三つ目は……? 「名付け親の訂正も叶い、生涯の伴侶を得る事が出来た俺ですが……さらに欲張ってみたいと思います」  何が起こるのかと、わくわくとした表情で観客達はアキラさんに注目する。  目尻の涙を拭ったカンナさんだけが、アキラさんの隣で、にっこりと微笑んだ。 「俺がずっとピンでやってきたのは、コイツだってヤツに会えていないからでした」  裏にいた芸人、スタッフ達が固唾を飲む。 「だけどやっと見つけた……タケル!」  歓声が上がる。仲間達が容赦なく俺の背中を叩く。 「出番っすよ!」 「タケル先輩っ!」  まだ夢見心地の俺の背を押してくれたのは、シンジとトオルだった。
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