5人が本棚に入れています
本棚に追加
興奮冷めやらぬ中、アキラさんは右手を前に突き出した。指は三本立てられている。
一つ目はラッキースターについて。二つ目はカンナさんへのプロポーズ。三つ目は……?
「名付け親の訂正も叶い、生涯の伴侶を得る事が出来た俺ですが……さらに欲張ってみたいと思います」
何が起こるのかと、わくわくとした表情で観客達はアキラさんに注目する。
目尻の涙を拭ったカンナさんだけが、アキラさんの隣で、にっこりと微笑んだ。
「俺がずっとピンでやってきたのは、コイツだってヤツに会えていないからでした」
裏にいた芸人、スタッフ達が固唾を飲む。
「だけどやっと見つけた……タケル!」
歓声が上がる。仲間達が容赦なく俺の背中を叩く。
「出番っすよ!」
「タケル先輩っ!」
まだ夢見心地の俺の背を押してくれたのは、シンジとトオルだった。
最初のコメントを投稿しよう!