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「自分、それ玉子焼きやで」
「何、言うてんねんっ!」
どっと沸き上がる笑い声。
「どうもっ、……あっりがとーございましたっ!」
笑顔。笑顔。笑顔。舞台袖から見ていた俺の体は震えていた。
緊張して、ではない。嬉しくて、だ。
こんな日でも観客席は満員で立ち見すらいる。
入りきれないお客さん達の為にとロビーにも簡易ステージが設置され、ネタを終えたベテラン先輩芸人さん達や出番待ちの若手芸人達が盛り上げてくれている。
【72時間耐久お笑いフェスティバル~最期まで笑顔~】
発案したのはあの『ラッキースター』の名付け親、カリスマ芸人のアキラさんだ。
アキラさんの心意気に惚れ込んだ芸人達は余程の事情がない限り、このお笑いの聖地に家族や恋人と共に集まった。
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