第7話

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 もうひとりの「なっかん」タイプはいじめている側から現れます。  いじめの片棒を担がされていた「なっかん」は、ある時いじめグループの他の友人たちにこう言いました。  「俺は、おまえらのやってることが気にいらへん」「俺はあいつのことはよう知らへんけど、まだ、いじめを続けるというんやったら俺はおまえらとのつきあいは今後やめる」「おまえらがいじめをやめると言っても俺は信用でけへん」「おまえらが蒔いたあいつの悪評は留まることをしらず、俺らの学年400人知らんものはおらへんどころか他の学年にも、先生にも知れわたっとる。他校も知っとるやつがおる」「おまえらが蒔いた悪評を信じてるのか、そんな悪評はどうでもよくなってるのか俺にはわからんけど、あいつをいじめるのが「正義」みたいなことになって、方々であいつに対するいじめや嫌がらせが一人歩きしとる。もう収拾がつかへん」「俺は、おまえらがやってることは許せん。やめると言うんやったら、おまえら別々にひとりずつあいつに謝りに行け」と。  最終的にその「なっかん」の言葉でいじめはある意味終結した。  いじめの中心であった3人は謝りに行った。「なっかん」に言われたとおりそれぞれの気持ちを丁寧に伝えて謝った。    しかし、最後の4人目は謝りに行かず、その約半年後偶然であった時にこう言った。「他のやつが許しても、俺は許せへんからな。」  自分たちが作り上げた悪評を信じ込んでいるのかはわからない。自分だけは最後まで「正義」の味方と思っているのかもしれない。  映画の悪役の捨てぜりふのように聞こえる  4人目の気持ちはどうであれ数年におよぶ長いいじめは終わったという。
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