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「だけど……とりあえず、“今ここでする事”は本当の事だ」
だから、宣言する。本心だと自分を無理やり納得させた上で――、霧乃は千星空の肩を引き寄せた。
「へ……お、お、お兄様!?」
「なんだ、散々怒ってたのに」
苦笑しつつ、霧乃は義妹の頭を撫でた。
「悪いね……これくらいしかする事思いつかなくて」
苦笑する霧乃に対して、千星空は顔を真っ赤にして俯き、されるがままにされ――そして、
「ん、うきゅうううぅぅぅぅ」
――気絶した。
「へ?」と霧乃は驚愕して、その身体を支えた。
「え、な、なんで?」
慌てふためく主に、勾陣ははぁっと溜息を吐いた。
「普段から、優しくしてりゃそんなことにはならんだろうに。馬鹿が」
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