吉田×斎藤

13/76
前へ
/182ページ
次へ
それからは肌を合わせることはしなかった。 暴れなくなったようなので拘束していた縄を解いた。 痛くならないように間に手拭いを挟んでいたが手首は内出血でどす黒くなっている… 長い間拘束されたせいで、手は痺れているのかうまく動かせないようだ… もちろん箸も持てない… 拘束を外しても世話をしてあげないと一人で厠に行くことすらも出来ないね… 「ねぇ。ハジメ? 江戸に行こうと思うんだけど? 京や大阪は思い出がありすぎるだろう? キミ達の家は解約してあるから、気にしなくていいからね?」 沖田君の懐刀に沖田君の髪紐をくくりつけ渡した。 「道中どんな危険があるかもしれないから、沖田君の懐刀を渡しておくよ。 これで自害などしたら沖田君に嫌われるからね?」 「そんな顔しても駄目だよ。 その腕で刀は振れないでしょ? キミの刀は大事なのは解るから僕が持っていく。 キミは女子として僕に守られていればいいよ♪」
/182ページ

最初のコメントを投稿しよう!

62人が本棚に入れています
本棚に追加