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元気に見えた総司だったが、次第に具合が悪くなり部屋で伏せるようになった。
よく咳き込んでいるようだ。
誰が言っても医者に見せに行こうとしない。
「総司…大丈夫か?」
背中を擦りながら問いかける。
「…ハジメ君。
僕は約束を守れなくなってしまった…!」
「…どういう…ことだ?」嫌な予感しかしない。
言わないでくれ。聞きたくない。
「僕ね…。労咳なんだ…
…だから…ハジメ君とずっと一緒には居られない…!」
!今…何と言った!?
「ま…真か!?」
「僕には剣しかないのに…
もう…重たくて振るうこともできない…!」
肩を震わせ泣きじゃくる総司にかける言葉も見付からず、俺は抱き締めることしかできなかった。
どのくらいの刻が過ぎたのであろうか、総司が呟く。
「ごめんね…。ハジメ君
一人にしてしまうね…」
自分の命が消えることで色んな感情があるであろうに、俺を一人残していくことを気にかけるのか?
総司…お前と言うやつは…!
「…俺も…
お前と共に行こう…」
「!駄目だよ。ハジメ君は生きなきゃ!」
「総司の居ない世界など要らぬ
どこか田舎で二人で暮らそう。
…最後は…一緒に果てよう」
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