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俺よりも総司の方が新選組のことを思っているのだな…
俺はいつも総司には勝てないな…
だが、今回は最初で最後であろう俺の意見を通させてもらう。
「…お前の調子のよい時を待ち、ここを出よう」
「ハジメ君…いいの?
本当に僕の側にいてくれるの?」
「そう言っているであろう?」
総司の髪を撫で、瞳に浮かんだ涙を指ですくう。
「局長に…話をしなくてはな…」
「僕も行く…!」
「総司は寝て…
…いや、共に行こう」
総司は自身で局長に対してのけじめをつけたいのであろう。
局長と副長に俺たちのことを告げた。
総司が助からない病だと知ると局長は泣いてらっしゃった。
副長の瞳も潤んでいたのは俺の見間違いではないであろう。
思っていたよりあっさりと離隊を許された。
「いつでも戻ってこい…」副長が仰ってくださった。
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