沖田×斎藤

51/52
前へ
/182ページ
次へ
天気の良いある日、珍しく調子の良さそうな総司が言った。 「桜が見たい…」 「そうか。寺に見に行くか?」 「…今日はものすごく調子が良いから、がんばって歩くよ」 「無理はするな。おぶって行ってやる」 自分で歩くと駄々をこねる総司をおぶり、寺へ行く。 満開を少し過ぎた桜がとても綺麗だ。 木の下へ腰を下ろし膝の上に総司を座らせてやると、俺に抱きつき言った。 「…綺麗だね… 今までありがとう。ハジメ君。 君は生きて…!」 「何を言うのだ。総司 別れの言葉みたいではないか」 「…お別れなんだよ… ごめんね。ハジメ君 僕は充分生きた。 ハジメ君のお陰で幸せな人生だった…」 「…総司…愛している…っ! 俺を置いて行くな…!」 「ハジメ君…僕も愛しています…永遠に…… だから…置いていくね…」
/182ページ

最初のコメントを投稿しよう!

62人が本棚に入れています
本棚に追加