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〜Prologue〜
序【始まりの独白】或いは、虚無への覚醒。
私は王。不死の魔王、そう呼ばれている。いつの頃からか定かではない。
そして私にとっては意味のない名前。私が自ら名乗ったものではないが、私の元を訪れるもの全てが例外なく、そう呼ぶ。
……今、気の遠くなる様な長い年月を経て私は存在する。
出来得る限り思い出すことのできる、その記憶。そのもっと古き記憶に於いて、世の人々は私を
『SK3-01PT=<adam01>』
被検体『アダム01』と呼んだ。
私は私以外の有限の命をもつもの手によって今、ここにいる。
これが私の始まり、最初の名前。だが私はこの名が好きではないし、自らそう名乗ったこともない。
名を問われ、仕方なく名乗ったことこそあれど、それはその場限りのこと。もはや誰一人として覚えている者もいない。
ある者はそのまますれ違い、ある者は私が自らの手で葬ってきた。
私がこの世に産まれ出て最初に成した行い。それは破壊と殺戮だった。
今思えば自分が何故、その様な行動に至ったのか、定かではない。自我、と言うものをはっきり自覚していたのかさえ、私の記憶は曖昧に成り果ててしまっている。
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