〜Prologue〜

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 ……最後に、私だけが残った。  他には何一つない、荒れ果てた大地が広がる。所々で燻り続ける煙を風が散らしていく。  他に語るべき何物もない世界、大地の上に私は一人。表現し難い痛みを全身に感じていた。どれほどの傷、どれほどの熱と炎で焼き払われようとも、何一つ感じることのなかった私の体を、風が通り過ぎるたびに、痛む。  足を一歩、前へ進めるたび、指を一本曲げるたび毎に、ギシギシと軋む様なその痛みが。  私はそのまま、崩れ落ちる様に大地に臥した。もはや、一歩たりとも前に進めない。  そう悟った時、私は産まれ出てはじめての【眠り】に落ちた。  そして……。  それは私にとって、長い長い旅の始まりとなった。 Prologue〜あとがき〜 本書はノベプラ文芸部(仮)第一回のお題より、仮題【不死王】とエブリスタ公開版の序章を加筆、修正したものとなっております。 エブリスタ旧アカウント公開版は現在のところ、恥ずかしながら旧アカウントで49000字ほど書いた時点で更新停止しておりまして、大勢の方にお読みいただいていたにも関わらず、更新が途絶えて10年以上の歳月が過ぎ……。 【ネイア】の執筆再開に関しても、随分と躊躇いがありましたがやはり、物書きとして胸を張るためには本作をこそ再始動しなければ、私はここより前に一歩たりとも進めない。 その思いを持っての本作、再起動です。 実のところ再始動したい長編作品はもう一本、あるにはあるんですがね。それはまあ現状、【違った形】で動かし始めてますのでまあ、今はまだ後回しに(笑) 拙作【魔術師ネイア】シリーズ共々、お楽しみいただけましたら幸いにございます。
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