Dream Eater

2/2
前へ
/10ページ
次へ
「こちらがガイシャです。」 とある病院に、一人の男が搬送された。男は先程、新郎となるはずだった人物だ。 しかし、結婚式に女性…Finger Eater -指喰い- が現れ、教会も式もボロボロになってしまった。 幸か不幸か、負傷者は戦っていた新婦と指喰いを除けば新郎ただ一人だけ。 飛鳥の上司の白峰は、事件の全貌を把握するため男のもとに足を運んでいた。 「初めまして。私、暁警察署の白峰と申します。お辛いとは思いますが、事件の事をお話願えますか?」 白峰の第一印象はくたびれたおっさん。無精髭が目立ち、髪にはところどころ白髪が見え隠れしている。大体30代だろう。 対する男は20代後半ぐらいで、白峰が現れたときからどこかビクビクしている。 「お…お前は……、だだだだだだ誰なんだ!!どうしてここにいる?そもそも…ここはどこ…なんだ!!何があったんだ!?」 明らかに、警察官に対する態度じゃなかった。高圧的、上から目線と言うわけでもないし、明らかに怯えていた。 白峰の後ろにいた警官はぼそりと「警部の顔が怖いんですよ…」と笑いを堪えながら小さく呟いた。が、それは運悪く白峰に聞かれてしまったようだ。 「おいこら、後で覚えとけよ?苅部ナ……」 「ちょっ、警部!!謝ります、謝りますから名前だけは人前で呼ばないでぇ!!」 「ちょっと、あんたら。ここは病院なんすよ?もうちょっと静かにしてくださいよ。」 白峰と苅部と呼ばれた男の会話を打ち止めたのは、頭に包帯を巻く飛鳥だった。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加