Finger Eater

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青年は間髪おかず走り出していた。 狭い道を右へ左へ。 教会に向かっている道中、不意に携帯電話に着信が入った。 ジリリ、ジリリとシンプルなベルの音だ。 走りながら応答すると、耳に入ったのは罵声。 『馬場 飛鳥ぁ【ババ アスカ】!!お前今何処にいる!?奴らが出たぞ!!教会だ!!』 『へい!存じてますっ!俺も今向かってます!!あと、フルネームで呼ぶのやめてくださいっていつも言ってますよね!?』 電話の主はガハハと笑うと、少しドスの入った低い声で飛鳥に語りかける。 『馬場 飛鳥巡査。これは命令だ。俺の感じ取れる反応からして小物だが、辺りにはヒトが沢山いる。早急に向かい、捕獲…逮捕しろ。場合によっては射殺しても構わない!また、天駆けの使用も許可するっ!!』 『了解しました、白峰【シロガミネ】警部補っ!あ、あと勤務時間外なんで手当て貰えますよね!?』 『掛け合ってみるから、さっさと行けぇ!!』 小さく了解と呟くと、飛鳥はフッと息を吐く。すると既にそこには飛鳥の姿はなかった。 次に飛鳥の姿を捉えたのは、屋根の上。体制を立て直すと教会に向けて、再び走り出した。
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