Finger Eater

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バンッと大きな破裂音が教会に響き渡った。 大体心臓の辺りを撃ち抜かれた花嫁の傷口から鮮血の花が咲いた…と、この場にいた全員が思った。 しかし、傷口に見えるのはゆらゆら揺れる、蜃気楼。 「残像さ…とでも、言えばいいのかしら?」 軽口を叩くのは宙を舞う花嫁。まるで背面跳びの様に体を捻らせ、銃弾を避けていたのだ。 「あーあ、飛び道具なんてずるーい。仕方ない、私も本気を出してあ・げ・る。」 艶っぽく挑発した花嫁は、両太股から1本ずつ短剣を抜き、指喰いの掌へと投げつけた。短剣は指喰いの手ににしっかりと刺さり、指喰いは床に張り付けの形となる。 張り付けの指喰いを見下ろすと、花嫁は何を考えたのか深紅のサーベルを手放した。 重力に従い、落ちていくサーベルは次第に液状へと変化していく。 それは、血の様な物にも見えた。 「大地より生まれし刃は、全てを刻み無へ返す。 生命より生まれし紅、物事繋ぐ鎖のように。 蠢く力は天裂く光の如く。 肉を引き裂き喰いちぎるは毒牙。 我の命に従い姿を現せ!!」 飛鳥の知る超能力の中で、詠唱が必要な能力はなかった。 初めて見る超能力、もしくはその他の力に、飛鳥は目を離せずにいた。 液体は花嫁の声に反応し、次第に形状が変化していく。 生まれたのは、先程のサーベルと同色の深紅の蛇腹剣だった。
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