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「ハハハハハッ、はっきり聞くんだね」
「どうするの?
するなら、うち来る?」
「ううん。うちへ来て」
その声が合図。
バーの狭いテーブル。
俺達の唇が重なった。
彼女は俺の両耳を塞いだ。
頭に響くリップ音。
絡み合うそれと、その音に、否が応でも気持ちが逸る。
タクシーの中、俺達はキスを止められなかった。
肩が触れ、彼女が見つめれば、また唇が重なる。
彼女が手を握り、また俺を見つめたら、またキスせずにはいられなくなる。
知らず知らずのうちに、彼女に惹き込まれて行く自分。
彼女のマンションへ着いた時にはもう、この欲情する自分を抑えられなくて
彼女のスーツを脱がし、ブラウスのボタンに手をかけた。
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