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終わりを告げる無機質な音が部屋内に響き渡る。
その音は形容するなれば、地獄から呼び覚ます救いの声だった。
少なくとも今日の少年にはそうとすら感じた。
「はぁ……はぁ……
なんだよ……この夢……」
寝汗など普段かかない少年には珍しく、寝間着はまるで熱帯夜であったとも感じさせるほどにぐっしょりと汗に濡れていた。
ベッドの隅に置いてある時計を見ると、普段少年が起きている時間にもうなってしまっている事がわかった。
「やけにリアルな夢だったな……」
少年の見た夢は俗にいう悪夢と呼ばれる類いだったが、今日見た夢は今まで見てきた悪夢よりも変に現実味を帯びていた。
1度起き上がった少年は再び倒れ込むと目を閉じて夢の内容を整理しはじめた。
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