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どこかで見たことのあるような、そんな河原に少年は突っ立っていた。
目の前には少年より一回り小さな金髪の少女の姿が見える。
「ごめんなさい。
わたしやっと気付いたの。
わたしやっぱり………」
その言葉を聞いた瞬間、少年は今まで味わった絶望感がむしろ心地よく感じるほどの絶望感に苛まれた。
「こうなることは薄々わかってた。
でも………。」
少年が最も聞きたい肝心な部分は、モヤがかかっているかのように言葉が聞き取れない。
「………。
さよなら。」
少女の口からその言葉を聞いた時、少年の絶望感は涙へと変わり身体を伝い外に溢れ出していた。
涙を流す少年の顔を、少し悲しそうな顔で一瞬だけ見つめた少女は背中を向けて歩き出した。
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