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「やっぱり……。」
思い出してみてもいつか見たことのある河原だった。
そこで少年は涙を流し、1人の少女と決別していた。
「はぁ……
考えてても埒があかないな、これは。」
少年はそうやって無理矢理に解決すると、クローゼットにかかっていた使い古しの制服を取り出した。
もう3年にも渡って着続けた制服は若干色褪せてしまっている。
「あれ……?
なんか、忘れてる気がする……。」
新学期初日。
少年にとって大きな出来事がある日を少年自身は忘れてしまっていた。
「なんだったっけな……。」
少年がそう呟くより若干早いタイミングだったろうか。
2階へ続く階段を軽快なステップで駆け上る音が聞こえて来た。
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