第3話

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  「自分で言い出したんだよ、あたし……」 「……」  真田の少し潤んだ瞳が、じわりと揺れる。  やがて、何か諦めたようにその瞼が閉じられて、真田の口唇からは「……はっ」と笑いとも溜め息ともつかない息が漏れた。 「……だよな」  真田の両腕が、あたしの腰に回される。  まるで持ち上げるみたいに抱きすくめられて、彼の口唇は再びあたしのそれを塞いだ。  ぬるりと侵入してくる真田の舌が、気持ちいい。  それを伝えることもせずに、あたしは夢中で味わった。  こうしてる間は何も考えなくていいって、あたし自身気付いてるからなのかも知れない。  狡いかな。  ……卑怯なことかな。 .
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