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寿退社した前任のお姉さんとの共同の仕事だったこともあって、なんとか始末書は免れたけど。
別室で課長にくどくどと長いお説教を受け、今後もっと緊張感を持つように、と締められた。
口答えするようなことは何もなくて、ひたすら従順に頷いていたら、時計はもう7時を過ぎていた。
明日に備えて、もうみんな帰ってしまっていた。
フロアにはもう誰も残ってない。
──と思ったら、廊下の喫煙スペースで真田があたしを待っていた。
「遅かったな」
退社時間をとっくに過ぎているから、廊下の電気は最小限に落とされている。
暗がりの中、長椅子に腰を下ろした真田の姿がシルエットになっていた。
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