第3話

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  「え、エロくないよ。別に」  真田はあたしの肩越しに、フロアの様子を覗き込む。  きわどい話をしてるから、課長がいないか確かめたんだろう。 「もう、帰れるんだろ?」 「うん……」 「……何、考えてんの」 「え?」 「顔、エロいって。そんなんで外、歩く気か」 「エロくないってば……!」  真田と見つめあうのがいたたまれなくて、慌てて顔をそらす。  が、顎を素早く真田に掴まれて、それは叶わなかった。 「ウロウロ場所探すの、めんどくせえな。俺んちでいいか」  面倒くさいと言われて、胸がチクンとする。  だけど、彼の部屋と言われると、違う疼きが顔を覗かせる。 .
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