それぞれの道

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そして森の中でダグマイアの聖機人の残骸を見つけた。 無残に下半身がもぎ取られていたが半透明の操縦席は解放されもぬけの殻であった。 キィィィィィンーーバキバリどっぽーん!!! その時、上空から一機のエァバイクが落下してきて湖につっこんだ。 ラン(かわいそうに、あれじゃ生きてないだろうね・・) 思い出したランはそう思った。 湖からはかなり離れていたので操縦者の安否を確認するのは無駄だとその時は考えた。 ダグマイアの姿を探して聖地の施設がある方向に向かう。 パーン! 突然、乾いた銃声が響いた。 足早に銃声が聞こえた方へ進んだ。 しばらく進むと施設の壁が見えてきた。 ラン(居た!ダクマイア!!) 咄嗟に木の陰に身を隠し様子をうかがう。 ダグマイアは壁の傍に立ち足元を見ている。 そこには何か黒い水たまりのようなものがあった。 ダグマイアは片膝をつき水たまりの中から何か丸いものを拾った。 ラン(無警戒だね・・・チャンスはいまだな。) ダグマイア『いっ・・・!』 ラン(馬鹿だね、何でも無警戒に触るからだ。) 何か拾ったもので指を怪我したらしい。 ラン(フン!このままじゃあたしの身があぶないんでね・・・) 脅しにナイフを抜きダグマイアを捕まえようとしたとたん! ざくっ・・・ ラン『うっ・・・・!?』 背中に冷たい物を感じた。 振り向きざまに相手を見る。 そこには日ごろ気に入らなかったダグマイアの護衛聖機師エメラが剣を持って立っていた。 その目は『ザマーミロ』といっているようだった。 ラン(あいつ・・服の背中だけ斬るなんていやみな・・・普通に斬られた方がましだっ!) そんな経緯で傍の木で背中を隠しどうやって移動しようか考えているときに順三と出会ったと言うわけだったのだ。 ラン(あ!もしかして順三ってあのエアバイクの・・?) そんな考えが浮かんだ。 ラン(朝になったら聞いてみるか・・・・) ランはグラスの飲み物を口につけながらそう思った。
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