第1話

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「あれ?廉は?」 「出て行った。」 「廉のやつなにしたんだよ・・・。」 そうつぶやいて大翔くんは自分の部屋に戻った。 「あのね、廉くんは花恋のことが好きなの。」 「え・・・」 だからキスしたんだ。 美華は話を続けた。 「廉くんになにされたかは知らないけど、廉くんの気持ちもわかってあげてほしいの。」 私なんで慰められているのだろう。 手を顔にあてるとビチョビチョに濡れていた。 泣いていた。 自分でも気付かなかった。 その時やっと自分の気持ちに気づいた。 私は廉のことが好きなんだ。 でも、そのあとの合宿の授業では口をきけなかった。 それどころか目があってもそらしてしまった。
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