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ハルに彼女がいる。 私の心に張り裂けそうな痛みが走る。私が眉間に皺を寄せてたら、みっちゃんは 「一目惚れの初恋だったけど、やっぱり手が届かない人だったんだと思う。」 って、半笑いの泣きそうな顔をした。 その日から、私はみっちゃんと一本早い電車に乗った。もうハルには会う事が無いんだ。そう思うと、寂しくなる気持ちがあった。 だからと言って、みっちゃんに自分の気持ちを言ってなかった私。みっちゃんを無視して、前の時間に電車に乗る事も出来ない。 自分の中で、モヤモヤする気持ちが湧き上がるけど、最初から3ヶ月だけの電車通学。最初から会えなくなるのはわかっていた。それが少し早くなったんだと、自分を慰めた。 金曜日、最後の電車通学を終える最後の日が来た。明日は引越し。 仮住まいのマンションを後にして、元の我が家に戻る。 そう、元のバス通学に戻るだけだ。
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