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ハルと呼ばれる彼の本名はわからない、ただ知っているのは、私達より二つ上の高校3年だという事だった。
中学校の時も、誰かと付き合う事もしなかった私とみっちゃん。
「男子もいない女子校に通ってると、勇気がなかなか出ないんだよねー。」
ハルを眺めて見るだけの恋なんだと笑うみっちゃん。私もみっちゃんの立場と同じなら・・。
「二歳上だし、気後れしちゃう気持ち、わかる気がする。それにあの人、ハードル高そうだもんね。」
「でしょ?」
みっちゃんは、多分、眺めて見るだけで終わるかもねって半ば諦め気味に自嘲しながら言った。
同じ駅から乗るハル。
毎日、学校に行くたびにハルを見る。ホームに降りる階段の真ん中辺りになると、ホームにいるハルが視界に入る。
まるでぺしゃんこに潰すように革のスクールバッグを脇腹と腕で挟んだまま、手はズボンのポケットに入れていた。もう片方の空いた左手は前髪を掻き上げる。
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