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時々、ハルやその友達に話しかける女子達が数人いて、ハルの耳元に内緒話をするように、耳打ちをする。 背の高いハルは、ん?と言いながら身体を少し屈めて聞いて、大口開けて「バカじゃねー?」と笑う。 私の胸にはチクンと針を刺すような痛みが起きる。みっちゃんはハルと女子の姿を見て、下唇を噛み、辛そうな瞳で見ていた。 ある朝、みっちゃんが駅にいない。 キョロキョロ探すけど、何処にも居なくて、どうしたのかと思った。 季節は秋も深まり、今週で私の電車通学は終わる。 家のリフォーム工事は、ほぼ完成し、またバス通学に変わるからだ。 みっちゃんにメールする。 みっちゃんからの返信は 『ゴメンね、ユウ。暫く、一本早い電車に乗るから一緒に行けない。』って書かれていた。 突然、みっちゃんが一本早い電車に乗るって言うから驚いた。
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