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荻野 遥貴は飄々として
「そうだね。いずれ他のヒトも担当するからねー。今のうちに教えておく事が、いっぱいあるんだよ。」
そう言うと、新川さんは「わかりました。萩野さん、プロジェクターの片づけお願いしますね。」と、私に微笑んで去って行った。
明らかに作り笑いで、私に微笑む新川さん。
鈍感なヒトでも、気づく・・。
わかってるのだろうか・・と、荻野 遥貴を見ると
「ユズ、俺に素っ気無くしちゃダメでしょ？」
と、意地悪い顔で笑った。
「なっ！何を言ってるんですかっ！」
「断っても、諦め悪いんだよね、あの子。」
クスクス笑う。
このヒトわかってるんだ。断ったって言うのも、補佐だけじゃない。
荻野 遥貴から目を逸らして、
「曖昧な態度だからじゃないですか。」
と、嫌味を言ってみたら
「曖昧じゃないよ。俺はちゃんと言ってるから、誰かさんと違うからね。」
嫌味で返すから、本当に嫌いだ。
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