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そんなぎゅうぎゅう詰めに慣れているのか、みっちゃんは私に笑いながら
「ユウは満員電車は初めてだもんね。」
と話しかけるが、私は「あ、うん。」としか言えない。
「私も最初はムリーって思ったけど、今は電車通学で良かったって思ってるの。」
みっちゃんは、顔を赤く染めて照れ臭そうに私を見る。
「毎日、ハルに会えるから。」
みっちゃんはハルに一目ぼれしたのと言って、毎日ホームでハルの姿を見れるから電車通学が幸せだと言った。
みっちゃんの嬉々とした声で言う姿が、なんだか可愛く見えた。
私は友達の恋心を知ってワクワクする反面では、みっちゃんの好きなヒトなんだと、少し気落ちして落胆する自分にも気づいていた。
「そうなんだ。みっちゃんの好きヒトなんだね。」
みっちゃんには、そんな気持ちを悟られないように笑顔を作ってみせる。
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