第一章:ありふれた日常

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僕の一日は目覚ましの音では始まらない では何で始まるのかと言うと僕の隣で思いっきり僕に抱きついて眠っているこの少女によって始まる 僕としては嬉しいことこの上ないのだが... その少女のせいで何故一日が始まるのかと言うと 「晴...大好き」 といつも寝言で言っているからだしかも一回では収まらず何回も同じようなことを繰り返して言うのだ 言われているこっちとしてはとても恥ずかしくてしょうがないのだがいつものことなのであまり気にしてはいけないのだろう そんなことより今は彼女を起こす方が先決だ 「起きて姫華」 僕はそう言うとさっきまで僕に抱きついていた人物を起こしにかかった 今ので分かったと思うが彼女の名前は有栖川 姫華と言う とそんなことを考えていると麗華は腰まで届きそうな黒髪を揺らしながら起き上った 「おはよう晴」 「うんおはよう姫華。何で今日も一緒に寝てたの?」 いつ聞いても答えは一緒なのでこの後どう答えるのかは分かっているんだがそれでも敢えて聞いてみる これも日課の一つだからね 「一緒に寝たかったから。晴は嫌?」 と涙目+上目使いで聞いてくる 「別に嫌じゃないよ。だけどそのせいで折角姫華が作ってくれたご飯が冷めちゃったら悲しいなって思ってさ」 と僕は本心から答える
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