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僕は姫華の作ったナイフを一本だけ手に取るとそのナイフを自分自身の胸に向けて刺した
すると姫華はガクガクと震えながら
「晴?何してるの?」
と聞いてきた
喋ろうとするとナイフを刺した所が痛むが今はそんなことは気にしない
「姫華がどうしてもやめないって言うんだったら僕はもう一回僕自身を刺して死ぬ」
「そんな...晴はそんなことしないよね?」
姫華は不安そうに聞いてくるが僕としては今更引くつもりはない
「悪いけど本気だよ」
僕はそう言うと胸に刺さったナイフを抜く
するとナイフが刺さっていた所から今までとは比べものにはならないほどの量の血が溢れてくる
そんなことも気にせず僕は自分に向かってナイフを突き立てる
「もうやめて晴」
姫華は手に持っていたナイフを落として涙ながらに言ってくる
「ナイフ投げたりなんかしないから。そんなことしないで晴。死なないで」
と続けて言って来た
僕は僕の手にあったナイフを投げ捨てた
「大丈夫だよ姫華、僕は勝手に死なないから」
僕はそう言うと姫華を抱き締める
「ごめんね。心配かけて。でもさっきも言ったけど僕は姫華を置いて死なないから安心してよ」
僕のその言葉を聞くと姫華は泣きながらも「うん」と言った
それから僕たちは学校の中だと言うのに少しの間抱き合っていたが僕の限界が来た
「ごめん姫華、ちょっと寝るね」
僕はそう言い残すと僕の意識は深い闇の中に飲み込まれていった
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